施策に応じたシナリオ改善方法の紹介

シナリオの全体設計/ロードマップ/運用の振り返りのあと、目的に応じて設定内容を改善していく方法を紹介します。

  1. CVRを向上:顧客がCVに近いポイントで迷っているタイミングで、Flipdeskを用いて購入を後押しする情報を提供し、CVRを改善する施策について紹介します。
  2. クロスセル施策:顧客が特定の商品を購入しようとしている際に、Flipdeskを活用して他の商品も併せて購入してもらうための施策について紹介しています。
  3. サイト内の回遊率を向上:顧客がランディングしたばかりのタイミングでログアウト状態の場合にログインを促し、その後の回遊率改善を行う施策について紹介しています。
  4. 離脱率を改善:顧客が離脱してしまいそうなページで、離脱を防いで他のページへ誘導させるため施策について紹介しています。
  5. 適切な情報を提供:ユーザーにクーポンなどの有益な情報を提供することで、購買意欲の向上を狙う施策について紹介しています。

関連ページ:スタートガイド(シナリオの全体設計/ロードマップ/運用の振り返り)


1. CVRを向上

CVを迷っている顧客にCVをしてもらうためには、以下2つのポイントがあります。

    1. CVを迷っている状況の顧客をターゲティング
    2. CVを迷っている顧客への後押しになるような情報の提供
  • CVを迷っている状況の顧客の定義

    CVを迷っている状況の顧客は、CVまでのフローの後半において、長時間検討している傾向があります。Flipdeskで可能なターゲティング方法として、例えば以下のような方法が考えられます。

    商品詳細ページを長時間閲覧している顧客にターゲティング
    CVを行う上で最も重要な情報が掲載されていると考えられる商品詳細ページを長時間閲覧している顧客にボタンを表示するためには、配信オプションのボタンの表示タイミングを設定します。CVを迷っている顧客がどれくらい商品詳細ページを閲覧している時間について仮説を立てて秒数設定を行います。
  • CVを迷っている顧客への後押しになるような情報の提供

    CVを迷っている顧客の購入意欲を高めるために、購入の後押しとなるような情報を提供します。
    例えば閲覧中の商品の在庫が残りわずかである場合には、DOM要素を利用して在庫がわずかである旨の案内は購入を後押しする情報となります。
    あるいは、「長時間商品詳細ページを閲覧している=購入に対して何らかの不安を抱いている」と仮説を立て、よくある質問の一覧をダイレクトメッセージで案内することも「不安を払拭して購入を後押しする情報」であり、効果が期待されます。
    購入を後押しする情報について仮説を立て、ABテストで効果の最大化を図りながらCVRを改善していきます。

2. クロスセル施策

顧客にクロスセルをしてもらうためには、以下2つのポイントがあります。

    1. クロスセルが見込めそうな顧客のターゲティング
    2. クロスセルによって顧客が得られるメリットの案内
  • クロスセルが見込めそうな顧客のターゲティング

    ある商品を買いそうな顧客に対してターゲティングを行う必要あるので、カート内商品の情報を利用します。そのために、以下の2つのいずれかの方法で条件設定を行います。

    1. カート内の合計金額
      カート内の合計金額を「1円以上」に設定することでカートに商品が入っている顧客へのターゲティングが可能になります。カート内商品のSKUや商品名、カテゴリを指定してターゲティングを行う場合はカート内の商品を設定します。
      ※「カート内の合計金額」を使ってターゲティングする場合はカートタグの 設置が必要です。
    2. DOM要素
      DOM 要素を利用する場合は、ページ内のDOMにカート内の金額や点数が表示されている必要があります。カート内の金額が記載されているDOMのclassもしくはIDを指定し、そのInnerHTML内の金額が1円以上という条件指定を行うことで上記と同様のターゲティングが可能です。
  • クロスセルによって顧客が得られるメリットの案内

    クロスセルを成功させるためには、ターゲティングを行うだけではなくクロスセルのメリットを顧客に伝える必要があります。訴求するメリットの例としては、以下のようなものが挙げられます。

    1. 送料無料の条件
    2. セット買いをすることでの特典(割引など)
    • 送料無料の条件を訴求する場合は、ターゲティングの設定でカート内の金額をより具体的に設定するとより効果的です。具体的な設定金額や訴求内容については、クロスセルを狙ったシナリオの成功事例を参照してください。送料無料の条件セット買いをすることでの特典(割引など)

3. サイト内の回遊率を向上

サイトの会員である顧客は、離脱させなければ新規顧客よりもその後の購入率は高いと考えられます。これらの顧客をターゲティングし、適切な訴求を行うポイントは以下の3点となります。

    1. DOM要素を用いたログイン状態の判別
    2. 会員である可能性が高いユーザーへの配信
    3. ログイン後のメリットの訴求
  • DOM要素を用いたログイン状態の判別

    ログイン状況のステータスがページ内に表示されている場合、当該のDOM要素の文字列をターゲティング条件として利用することが可能です。ログイン状態が表示されているDOM要素のidもしくはclass、または未ログイン時に表示されている文字列を指定し、ターゲティング条件に指定します。
  • 会員である可能性が高いユーザーへの配信

    DOM要素を用いただけでは、ターゲティング対象に会員ではない顧客も含まれています。ログインを促す訴求では、会員である可能性が高い顧客に更に絞り込む必要があります。
    会員である可能性が高い顧客ターゲティングのために、ここではコンバージョン回数を活用し、コンバージョン回数が1回以上の顧客にターゲティングします。

    ※一般的に商品を購入したことがある顧客は既に会員登録を済ませている可能性が高く、もしくは会員登録しないと購入が出来ないようにされているケースも多いと考えられます。会員登録という条件に相関性が見られる他の条件(コンバージョン回数)を利用してターゲティングすることも、Flipdeskの効果的な活用方法です。
    例:コンバージョン履歴があるユーザーは会員である可能性が高い

  会員専用ページを閲覧したことがあるユーザーは会員である可能性が高い
  特定のcookieを持っているユーザーは会員である可能性が高い など

  • ログイン後のメリットの訴求

    ログインした後に確認可能な情報はサイトによって多種多様ですが、顧客の保有ポイント数や会員ランクアップへの条件など、ログイン後にしか見られない明確な顧客メリットをボタンで訴求することで、ログインを促します。


4. 離脱率を改善

顧客が離脱しそうなページで離脱防止を行うには、以下の3点となります。

    1. 離脱が多いページを把握
    2. 離脱していないユーザーが次にどのページに遷移しているかを把握
    3. Flipdeskで動線を用意
  • 離脱が多いページを把握

    Googleアナリティクスなどのサイト内トラッキングツールを利用し、ユーザーの行動分析を行います。以下、Googleアナリティクスを利用した場合の分析をお伝えします。
    Googleアナリティクスの場合、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」からページごとの数字を見ることが出来るので、ページビューが大きいかつ離脱率が高いページを把握します。
  • 離脱していないユーザーが次にどのページに遷移しているかを把握

    離脱率が高いページを抽出できたら、同様にGoogleアナリティクスで行動フローを確認します。離脱率の高いページの次の遷移先を把握することが出来るため、遷移先の上位を把握します。
  • Flipdeskで動線を用意

    離脱率の高いページと、同ページからの上位遷移先を把握した後は、Flipdesk上で実際にターゲティング条件として設定します。離脱率の高いページを閲覧中ページで設定し、上位の遷移先はシナリオのボタンのリンク先もしくはダイレクトメッセージ内のリンク先として複数設定を行います。



5. 適切な情報を提供

クーポンはユーザーにとって有益ですが、クーポンを使わなくても購入していたであろうユーザーには出すべきではありません。設定のポイントは、クーポンを出すことで購入に結びつくユーザーと、クーポンを出す必要のないユーザーを見分ける点にあります。

    1. クーポンを出さなければ買わないユーザーの定義
    2. クーポンの表示タイミングの調整
  • クーポンを出さなければ買わないユーザーの定義

    クーポンを出すことが購入への後押しとして有効なユーザーを、以下2つのターゲティング条件から定義します。
    1. 訪問回数
      訪問回数が複数回にわたるユーザーは購入を検討している可能性が高いと考えられますので訪問回数2回以上を設定します。
    2. コンバージョン回数
      訪問回数が多く、購入経験がないユーザーの購入ハードルを下げる必要があるので、コンバージョン回数0回を設定します。
  • クーポンの表示タイミングの調整

    クーポンを表示させるうえで最適なタイミングを、以下のターゲティング条件を使って定義します。
    1. 閲覧中ページ
      欲しいと思っている商品のページを見ているタイミングでクーポンを出すのは有効ですので、閲覧中ページとして商品詳細ページURLを設定します。
    2. 訪問内閲覧ページ数
      訪問内閲覧ページ数を平均以上とすることで、迷っていると考えられるユーザーをのみをターゲティングすることができ、クーポンを使わなくても購入に至る可能性があるユーザーを除外できます。