ITPの影響について

Apple社によるプライバシー保護のための制限について説明します。

 

1. ITPとは

ITP(Intelligent Tracking Prevention)は、Apple社がSafariブラウザで導入したプライバシー保護機能です。
インターネットの普及とともにトラッキング技術によって、ユーザーのオンライン行動が追跡され、個人情報が収集されることが問題視されたことにより、2017年にITPを導入した背景があります。

ユーザー側はITPによりウェブサイトや企業によるユーザーの追跡やデータ収集を制限されるので、よりプライバシーが保護されたオンライン体験を享受することができます。
ITPの影響を受けることで、一部のウェブサイトや広告主はデータ収集や効果測定の制約を受けることになります。

  • ITPの対象
    • Safariブラウザ13以降を利用しているユーザー全て

 


2. ITPの影響

ITPの影響 は、WEB接客において以下のように現れます

  • 有効期限の制限:ITPは、localStorageとサードパーティCookie(Flipdeskが発行したCookie)の有効期限を短くするなど、トラッキングに使用される情報の利用を制限します。これにより、ユーザーの行動や訪問履歴を正確に追跡できなくなります。
    • Flipdeskでは、訪問履歴の記録のためユニークなUserIDを訪問者1人1人に発行しており、これを訪問者が利用しているブラウザのlocalStorageに保存しています。
      Safariブラウザは、ITPの制限によりlocalStorageの有効期限が7日間のため、8日目に訪れると新規の訪問者として新しくUserIDが付与られます。ただし、7日以内に訪れるとその日から7日間と期限が伸びるため、7日間以内の再訪問をしてもらうための施策や流入の対策でカバーができます。
    • Flipdeskでは、Cookieをターゲティング条件に使用することが可能ですが、Cookieの保存期限が24時間のため、Safariブラウザの訪問者に対しては機能が制限される可能性があります。
      対象 有効期限
      Cookie 24時間
      localStorage 最新の訪問から7日間
  • リファラー情報の制限:ITPにより、Safariブラウザではリファラー情報の制約があります。リファラー情報は、どのウェブサイトから訪れたかを示す情報です。

    • Flipdeskではリファラー情報をターゲティング条件に使用することが可能ですが、ITPによってリファラー情報がトップレベルドメインまでに制限され、サブドメインまでの情報が欠落する可能性があります。
      (例:https://flipdesk.jp/test/?demo=9999 は https://flipdesk.jp/ になります)
      影響を受ける条件:参照元ページ、リファラー>カスタムリファラー

    • リファラー条件のマニュアルはこちら


3. Flipdeskの対策

ITPによってlocalStorageの有効期限の制限がされるため、ユーザーを正確に認識することが難しくなります。localStorageを使用しない(ITPの影響を受けない)機能として、
会員情報連携がおすすめです。
  • 会員情報連携はlocalStorageのUserIDを使用せず、ソース上に吐き出されるサイト固有の会員IDを使用します。localStorageの有効期限に影響されず、7日間という制限から解放されます。

会員情報連携のマニュアルはこちら